【端午の節句】基礎知識(食べ物や飾り、祝い方) ~特別な日を、私からあなたへ~

~特別な日を、私からあなたへ~

記事検索
Ranking
Home
11610views

【端午の節句】基礎知識(食べ物や飾り、祝い方)

11610views

シェアする

LINEで送る

兜飾り

毎年5月5日は「端午(たんご)の節句」であり、国民の祝日「子どもの日」でもあります。その名のとおり子どもが主役の日ですが、特に男の子をお祝いする意味合いが強いようです。具体的にどのような祝い方をするのか、由来も併せて紹介します。

1.端午の節句とは【意味・由来】いつやるの?

「子どもの日」は祝日法により「子どもの人格を重んじ幸福をはかり母に感謝する日」と定義づけられていますが、端午の節句にはどのような意味があるのでしょうか。日本へ伝わるまでの過程を見てみましょう。

・節句って何?

「節句(または節供)」とは、季節の変わり目となる日です。日本では端午の節句も含めて年に5回あります。1月7日の「人日(じんじつ)の節句」、3月3日の「上巳(じょうし)の節句」、7月7日の「七夕(しちせき)の節句」、9月9日の「重陽(ちょうよう)の節句」です。

人日の節句は「七草の節句」とも呼ばれ、七草粥を食べる習慣があります。上巳の節句はひな祭りと同じ日です。七夕の節句は言うまでもなく七夕(たなばた)の日であり、重陽の節句は「菊の節句」とも呼ばれています。

いずれも江戸時代の頃は祝日であり、豪華な料理を作って神様にお供えする習慣がありました。当時は医療が発達しておらず、季節の変わり目に体調を崩して命を落とす恐れがあったため、節句のたびに厄払いをしたり体に良いものを取り入れたりするなどしていたのです。

・端午って何?

「端午」は分解すると「端(はし)の午(うま)の日」という意味になります。つまり月初めの午の日を端午と言います。特に旧暦の5月は「午の月」でもあり、午が重なることから端午の節句として特に盛大に祝われるようになったと言われています。最初は必ずしも5日ではありませんでしたが「午」と数字の「五」は同じ発音なので、いつしか5月5日が端午の節句になったようです。

現在の5月5日は春の真っ只中で北海道を除くと特に季節の変わり目を感じません。けれども旧暦では現在の6月前半に相当するため、日本では梅雨の季節に入ります。かつてはこの時期に病気が流行りやすかったこともあり、節句の厄除けや健康祈願が必要だったと考えられます。

・屈原の伝説

中国でも毎年旧暦の5月5日は「端午節」です。ただし日本と違って子供のための日ではありません。代わって川に竜(ドラゴン)を模した舟(ボード)が出され、競い合う習慣があります。いわゆる「ドラゴンレース」で近年は国際競技にもなっています。

この起源は今から2300年以上前、中国の戦国時代まで遡ります。当時、楚(そ)の国の政治家だった「屈原(くつげん)」は冷遇の果て国の将来に絶望して、旧暦の5月5日に川へ身投げをしました。屈原を慕っていた民衆は彼を救おうと舟を出して捜索しましたが遺体は見つかりませんでした。それ以降も遺体を見つけるため毎年5月5日に舟を出す習慣が定着し、やがてドラゴンレースへと形を変えたのです。

民衆たちは、いつか屈原の遺体を見つけられるまで魚に食べられるのを防ぐため「ちまき」を撒いたと言われています。日本ではこちらの習慣が伝わり、端午の節句にちまきを食べるようになりました。

・日本で定着するまで

日本では奈良時代から貴族の間で端午の節句を祝う習慣がありました。当時は子どものお祝いよりも、菖蒲や薬草などを用いて厄除けや健康祈願する方が主流だったようです。やがて鎌倉時代になり武士が権力を持つようになると菖蒲を同じ読みの「尚武」になぞらえ、男の子の健康を祈るようになりました。武家にとって男の子の成長は何よりも重要だからです。

その後、江戸時代になると庶民にも端午の節句を祝う習慣が広がり、武士の兜や刀は「五月人形」に、家紋入りの幟(のぼり)は「鯉のぼり」に転じました。「子どもの日」として祝日になったのは1948年(昭和23年)です。

・端午の節句を英語にすると

英語圏には端午の節句に該当する記念日や祝い事がありません。端午を「最初の午の日」、節句を「季節の変わり目」として直訳すると「The season’s change of the day of first GO」となりますが、まず通じないでしょう。

一般的には「子どもの日」と同義に捉えて「Children’s Day」と訳すのが主流です。男の子のお祝いであることから「Boy’s day(またはBoy’s festival)」とも訳します。または日本特有の文化として相撲が「Sumo」で通じるように「Tango no sekku」と表現する場合もあります。

それで分からないようであれば英語で意味を説明すれば理解してくれるはずです。「(端午の節句は)旧暦の5月5日にお祝いします」なら「It was celebrated on the fifth day of the fifth moon in the lunar calendar」となります。

2.端午の節句のお祝いの仕方

こいのぼりと男の子

現在の「子どもの日」は鯉のぼりを上げ、五月人形を飾り、ちまきや柏餅を食べるのが基本です。祝日ですから子どもが希望するところへ連れて行ったり豪華な食事を振舞ったりもするでしょう。では「端午の節句」に則ってお祝いするなら何をするべきなのでしょうか。

・菖蒲湯で厄除けと健康を

端午の節句と密接な関係にあるのが「菖蒲」です。古くから厄除けに用いられ、葉を軒先に吊るしたり髪や冠の飾りにしたり枕の下に敷いて寝たりしていました。さらに江戸時代になるとお湯に浮かべて浸かるようになりました。葉に含まれる精油がお湯に溶けて良い香りがすると共に体を温めてくれます。

ただし実際に薬効成分があるのは根茎の方で、体の痛みや熱、咳などを鎮める効果があります。刻んだ根茎を煮出してからお湯に浸すと有効成分が溶け出して、葉だけよりも菖蒲の効果を実感できるでしょう。

一つ注意したいのは、「花菖蒲」や同じ漢字を使う「アヤメ」とは別物だということです。「花菖蒲」や「アヤメ」は共にアヤメ科の植物ですが「菖蒲」はサトイモ科です。花菖蒲は葉の形が似ているだけで、アヤメの名前は「文目(あやめ)模様」から由来しています。

決定的に違うのは花の形です。菖蒲の花は同じサトイモ科のミズバショウと同じく穂の形をしています。さすがに菖蒲湯用として販売されているものは正しいはずですが、フラワーショップで購入したり庭先で咲いているものを使ったりする時は間違わないように気をつけましょう。

・男の子の初節句

男の子が初めて迎える端午の節句を「初節句」と言います。女の子なら3月3日の上巳の節句が初節句です。この日は親族が集まって食事をしながらお祝いをします。ただし、生まれてすぐに端午の節句があるようなら次の年に初節句を祝う場合もあります。

基本的には両親とその祖父母くらいで済ませるお祝いです。お宮参りやお食い初めと違って厳密な決まりはありません。強いて言えば一般的な端午の節句と同様、ちまきや柏餅を用意して鯉のぼりや五月人形を飾るくらいです。もちろん地域のルールがあれば、それに従いましょう。

初節句のお祝いを金銭で贈る時の相場は親族で1から2万円、友人や知人で5千から1万円くらいです。のしの水引は紅白の蝶結びを選び、表書きは「初節句御祝」または、シンプルに「御祝」にします。基本的にお返しは不要ですが、お祝いだけもらって初節句に参加できなかった人には贈ってあげても良いでしょう。その際に撮った写真を添えると親切です。表書きは「初節句内祝」または「内祝」です。

3.端午の節句に食べる料理

端午の節句は男の子のお祝いなので、料理は子どもが喜びそうなメニューがふさわしいでしょう。お祝いのご飯と言えば赤飯や鯛めしあたりが思い浮かびますが、子どもに人気があるのはちらし寿司です。

さらに鯉のぼりを見立てた料理があると子どもは喜びそうです。例えばハンバーグやミートローフは形が作りやすい上に、子どもたちに大人気の食べ物です。鯉のぼりの形にした「パイ」も見た目が豪華で、香りが食欲をそそります。メインディッシュにするならミートパイ、おやつならアップルパイなど、中身次第でいくらでもアレンジできるのも嬉しいところです。

同じ筒型のロールケーキを鯉のぼりに見立てるのも楽しそうですし、子どもと一緒に飾り付けできます。例えば目の部分をチョコレートで描いたり、うろこをキウイやイチゴ、バナナなど薄切りにしたフルーツで再現したりするなどです。あとはちまきや柏餅があれば、端午の節句のお祝いらしくなるでしょう。

・ちまきを食べよう

ちまき

端午の節句で欠かせない食べ物と言えば「ちまき(粽)」です。これもドラゴンレースと同じく中国の屈原の話が由来になっています。「粽」という字は「葦の葉で米を包む」という意味です。日本ではこの字を「ちまき」と呼ばせていますが、日本のちまきはかつて「茅の葉(ちのは)」で包むのが主流でした。現在は笹の葉や竹の皮が使われています。

ちまきの中身も日本と中国では異なります。日本では餅かうるち米の団子が包まれており、甘味を付けられているものもあります。一方、中国ではもち米と一緒に味付けされた肉や栗、ナツメなどが包まれています。日本のちまきはおやつにしかなりませんが、中国のちまきなら立派な料理の一品になるでしょう。最近ではスーパーやコンビニでも販売されています。地域によっては日本のちまきより中国のちまきの方が馴染み深いかもしれません。

中国のちまきは意外と簡単に手作りできます。まずは水を7から8時間吸わせたもち米に味を付けた豚肉とニンジンやタケノコなど2から3種類の具を加え、フライパンか中華鍋で炒めます。それを笹の葉か竹の皮で包み、中身がこぼれたり水分が入り込んだりしないようにたこ糸で縛ります。あとは30分以上茹でるか蒸し器で40分以上蒸せば出来上がりです。

・柏餅を食べよう

柏餅

もう1つ端午の節句でよく食べられるが「柏餅」です。その名のとおり柏の葉で餡の入った餅を包んだお菓子です。江戸時代の頃から端午の節句で食べられるようになりました。柏の葉はかつて食器代わりに使われていたほど、生活に根差していた植物です。

柏の葉は新しい芽が出て来ない限り大きく育ち続けます。たとえ寒い季節になっても落ちません。そこから「子孫繁栄」の象徴とされ、特に家系の永続を願う武家にとって縁起物とされてきたのです。

もっとも柏は日本全国に自生しているわけではないので、地域によっては別の植物を使う場合もあります。例えばサルトリイバラという植物の葉で包んだものは「いばらもち」と言います。

桜餅と違って柏の葉は食べられず特に匂いが良いわけでもないので、近年では柏の葉をデザインしたビニールで包んだ柏餅が増えています。手作りにこだわるのであれば柏の葉もサルトリイバラの葉もインターネット通販で購入できます。餅は上新粉や白玉粉を混ぜてツルンとした感触にするのが主流ですが、普通にもち米だけで作っても問題はありません。

・大人は菖蒲酒で

菖蒲の香りはお風呂だけでなく日本酒に入れても楽しめます。お酒自体が百薬の長であり、そこに菖蒲の薬効成分が溶け込むことで厄除けと健康の効果があると信じられています。端午の節句になると中国はもちろん、日本でも奈良時代から貴族の宴席で飲まれていました。

基本的には香りを楽しむものですから、冷よりも燗にして飲みます。徳利や銚子の日本酒に菖蒲の葉を入れ、人肌程度に温めながらじっくりと香りを引き出します。あまり熱くすると苦味が出てしまうので気をつけましょう。お風呂と同様、根茎を刻んでお酒に漬け込むとより有効成分が溶け込んで体内に取り入れやすくなります。

4.端午の節句の飾り

ひな祭りにひな人形を飾るように、端午の節句でも鯉のぼりや五月人形を飾る習慣があります。近年では住宅事情に合わせて簡略化されたものが人気です。どうして飾るようになったのか、それぞれ見ていきましょう。

・鯉のぼりを飾ろう

こいのぼり

鯉は中国で出世の象徴とされる縁起の良い魚です。これは「登竜門」という故事と関連しています。中国の黄河の上流には「竜門」という険しい滝があり、そこを登れた魚は竜になれると言われていました。そして唯一登り切れて竜になれたのが鯉だったのです。

鯉は淡水魚の中でも棲む環境を選ばず、ため池や沼でも生息できます。その生命力の強さにあやかろうと、祝いの席の料理としてよく登場しました。特に海が近くにない地域では貴重なタンパク源でもありました。

そんな鯉が幟(のぼり)になったのは江戸時代の頃です。当時、武家屋敷では男の子が生まれると家紋の付いた幟を立てる習慣がありました。これを縁起物の鯉に置き換え、庶民が真似して飾ったものが「鯉のぼり」です。

初期の鯉のぼりは黒い大きな真鯉1本だけでしたが、やがて赤い緋鯉や青い子鯉も加わって家族を表すようになりました。さらに橙や緑の鯉もいる5色の鯉のぼりも人気です。真鯉の上にある吹き流しには厄除けの役目があります。

かつての鯉のぼりは庭にポールを埋め込んで飾るものでした、けれども近年ではアパートやマンションなど庭が無い家族のために、ベランダや室内で飾れるミニチュアサイズも出回っています。価格は大きさや素材、製造工程によって異なり、ミニチュアなら数千円程度ですが庭で飾るのは数十万円から百万円ほどします。

・五月人形を飾ろう

五月人形は「武者人形」とも呼ばれ、兜と鎧を纏っています。これを端午の節句に飾るのは日本だけの風習です。かつて武家に男の子が生まれると神社へ兜や鎧を奉納したのが起源だと言われています。

古くから人形は子どもの厄災を身代わりになって受けてくれると信じられていました。ひな人形も川に流していたのが、いつしか飾るようになったものです。五月人形も同様に男の子が安全に暮らしながら逞しく育ってくれるように願いがこめられています。一方で強い男の子の象徴である「金太郎」や「牛若丸」が生命力の強い鯉を背負っているタイプの五月人形もあります。

ひな人形と言えば豪華な段飾りが有名ですが、五月人形の段飾りは稀で人形1体に背景となる屏風、三本の矢、刀だけを飾るのが基本です。さらに人形を省略して兜だけを飾る場合もあります。近年の住宅事情を考えると、これくらいコンパクトな方が飾りやすいでしょう。あらかじめ透明なケースに入っていれば出し入れも簡単です。

価格は鯉のぼりと同じく大きさや素材、製造工程によって異なり、5万円から50万円くらいまであります。金太郎などでも10万円前後が中心です。お手頃な段飾りのひな人形とそれほど変わりません。

五月人形にこめられた意味を考えると、本来なら男の子1人につき1体あるのが望ましいですが、価格やスペースを考えるとあまり現実的ではありません。次男以降は兜だけにするなど「お守り」になるものを買ってあげましょう。

・鯉のぼりと五月人形は誰が買う?

可愛い子どものためにも親としては鯉のぼりと五月人形の両方を揃えたいところですが、価格を見て分かるとおり一度に揃えるのはかなりの出費です。飾る場所を選ぶ鯉のぼりはともかく五月人形さえあれば端午の節句らしくなるでしょう。

かつては母方の祖父母が贈る慣わしがありましたが、近年では双方の祖父母が相互に負担したり片方ずつ購入したりするケースが多いようです。地域の風習もあるため事前に誰が買うのか話し合った方が良いでしょう。

もちろん買う時は飾る場所も考えなければいけません。段飾りではない五月人形も意外と奥行きがあります。庭がないのにポール式の鯉のぼりを買っても飾りようがないでしょう。特にインターネットの通販を利用する時は要注意です。買うタイミングとしては3月から4月の中旬にかけてです。その頃が最も多く出回り種類も豊富です。

・いつから飾っていつ仕舞う?

鯉のぼりや五月人形を飾る時期に厳密な決まりはありません。ひな人形のように出しっ放しにしていると婚期が遅れるという迷信もありません。価格を考えるとそれに見合うくらい長く飾っておきたいところですが、場違いな上に鯉のぼりは雨風に晒されて傷みやすく、五月人形はホコリを被ってしまいます。

多くの家族は春分の日(3月20日か21日)以降から飾り始めているようです。ちょうどこの頃になると雪解けが進み、晴れの日も多くなります。鯉のぼりを飾るにはうってつけでしょう。五月人形も1ヶ月半ほど飾れます。

一方、仕舞うのは端午の節句が終わったらすぐが理想です。もちろん鯉のぼりは天候の影響ですぐに仕舞えないかもしれません。できれば晴れの日を選び、しっかりと汚れを落としてから仕舞いましょう。五月人形も余裕がある時に掃除してから仕舞います。手入れが行き届いていれば子どもが独立するまで長く飾れるでしょう。

・役目を終えた飾りの処分方法

子どもが成長して独立すると、もはや端午の節句に鯉のぼりや五月人形を飾る必要はなくなってしまいます。行政の指示に従って分別すれば捨てられますが、それではあまりにも忍びないものです。特に五月人形には代わりに厄災を引き受けてくれた役目があります。

近年では全国規模で人形を供養するサービスを提供している企業や団体があります。近所の寺や神社でも供養してくれるかもしれません。相場は人形1体につき5,000円からで、鯉のぼりを供養してくれるところもあります。長年にわたって子どもを守ってくれたお礼に丁寧にお別れしましょう。

・くす玉は端午の節句が由来?

お祭りなどで飾られている「くす玉(薬玉)」も元々は端午の節句から定着したものです。奈良時代の頃は薬草を丸く固めて菖蒲を飾り付けていました。飾るだけでなく魔除けとして身に着けてもいました。

次第に縁起物として開店時やお祝い事でも飾られるようになり、今では端午の節句よりも七夕祭りでよく見られます。本来はそのまま飾るものであり、割ると中から垂れ幕や紙吹雪が出てくるようになったのはつい最近のことです。

5.まとめ

端午の節句に欠かせない菖蒲やちまき、柏餅、鯉のぼり、五月人形は、いずれも男の子が健康に育ってくれるよう願いがこめられています。すべて用意するのは難しくても、どれか1つあると端午の節句らしくなるでしょう。

昔ほどではないにしろ、子どもが独り立ちするまでには体調を崩したりケガに見舞われたりすることがたくさんあります。毎年訪れる端午の節句のたびに子どもが無事に成長してきたことを喜び、盛大にお祝いしてあげたいものです。

閉じる
閉じる